大腸がん検査の精度は?
検診の時期です。当院でも便潜血が陽性となり、ご紹介されて受診されるケースが増えてきました。
- 便潜血検査
便潜血検査とは、便の中に血液が混じっているかどうかを調べる検査です。消化管のどこかで出血しているときに便の中に血液が混入しますが、出血が少量の場合は肉眼的にはわからず気づかないことが多く、早期発見には非常に有用な検査であると言えます。
〇痔があるから「便潜血陽性」の結果は痔のせいなのかしら、、、と自己判断で終わっていませんか。確かに痔からの出血であっても「便潜血陽性」となりますが、他の病気が存在していることを否定できるわけではありません。肛門と大腸の精密検査として必ず大腸カメラを受けることが必要です。
〇仕事や家庭でいろいろ忙しいし、今年陽性だったけど来年も陽性だったら精密検査を受けよう、、、こう思っている人。放置することで癌が進行したり、病気が悪化する可能性もあります。もう一度便検査を、というのはあまりお勧めできませんし、やはり精密検査としての大腸カメラを強くお勧めします。
- 日帰り大腸ポリープ切除
目に見えて血液がついていると皆さん焦って受診されますが、大腸がんの早期発見のためには肉眼的に見える出血がある前に大腸検査を受けてポリープの除去をすることが大切です。
大腸がんは早期発見すれば完治率90%以上ですが、ほとんど初期症状がなく、がんがかなり進行した後になって自覚症状が現れます。普段症状がなくても40歳以降、家族歴、喫煙と飲み過ぎなど、高危険群に属するなら、「大腸カメラ」が必ず必要です。
全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書
早期発見と早期治療が大切なことは上記のグラフからもわかります。特にがんがポリープの中だけに存在している状態であれば内視鏡でほぼ切除が可能です。
大腸がんについては大腸ポリープを除去することで大腸がんの発症を43%低下させると報告もあり、非常に有用な検査です。
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- モーニング大腸検査
とはいえ、検査のハードルはけっして低くはありません。大腸検査の前は大量の下剤を飲んで腸管をきれいにせねばならず、胃カメラよりは気軽に受けられないという現状があります。
そこで、当院では下剤の量を調節したり、飲み方を分けたり、その方のライフスタイルに合わせて下剤の飲み方を工夫/提案させていただいています。また、忙しい方向けのモーニング大腸なども非常に好評です。
大腸検査の3日前までに、外来での事前説明が必要ですが、その時に是非お時間や下剤の方法などご相談ください。
スタッフ一同、快適な検査を受けていただけるよう努力していきます。